英語発音本「AMERICAN ACCENT TRAINING」のレビュー・内容・効果
英語発音の本「AMERICAN ACCENT TRAINING」は実際に効果があるのか、またその内容を説明していきます。
結論:発音矯正に一定の効果が見込める
特に発音の練習を始めたばかりの方に、ある一定の効果が見込めると思います。
普通、発音の練習と言うと、私達はいかに発音を綺麗にするかが全てだと思っている節があります。しかし、発音の要素は実際には音の綺麗さだけではありません。他の要素もあるのです。
日本語を覚えたての外国人の話し方を想像すればわかりやすいかと思います。彼らの話し方は、変なところでイントネーションが上がったり、下がったりしています。あまり良い例えと言えないかもしれませんが、少なくとも発音の要素が音だけではないということはお分かりいただけると思います。
この本は他の英語発音練習本に(ほぼ)書かれてない「イントネーションや、単語の繋げ方、強弱」について詳しく書かれています。
つまり今まであまり教わってない内容なので、知って気を付けるだけでも違ってくると思いますし、マスターできれば大きな力になるはずです。そういう意味で一定の効果が見込まれます。
逆に、既にある程度ネイティブに近い流暢さで話せている方はご存知の内容が多いと思いますので効果は少ないかと思います。
この本の良いところ
他の本であまり触れられないことが詳しく書いてある
この本にはアメリカ英語の「イントネーションや、単語の繋げ方、強弱」について系統立てて書いてあります。
他の本もだいぶ見てみましたが、この本が一番詳しく書かれていました。
また、発音の音以外の要素について把握出来ていないときに、ある程度全体像みたいなものを掴む事が出来るのも良かったと思います。
内容の一例
- イントネーションをどこで上げ、どこで下げるのか
- 単語の中でどこにストレスを置くのか。文章の中でどの単語を弱く、どれを強く話すのか
- どういうルールで単語と単語を繋げて発音するのか
練習用の問題量が比較的多め
少ないときもありますが、1つのトピックについて比較的多めの練習問題が出されます。 色々なパターンを沢山練習できるのは良いことだと思います。
発音練習の際、きちんと発音できてるかどうか自分ではなかなか分かりづらいので発音練習アプリを使ってみるのも手です。
こちらのアプリでは「My単語帳」に単語もしくは文章を入力すれば発音を判定してくれます。「My単語帳」機能は無料で利用できます。
この本の気になるところ
全ページ英語で書かれている
文体はシンプルで読みやすいです。
とは言え、英語学習そのものを始めたばかりの方、また英語の文章を読むのがそもそも辛いと感じる方には少々きついかもしれません。
またちょっとした小話も入っており、純粋な参考書部分以外は楽しめる方もいれば冗長に感じてしまう方もいるかもしれません。
発音そのものの解説は少ない
一般的に発音の本と言うと、私達日本人は、発音記号毎に口の形や舌の位置をじっくり説明するものを想像すると思います。
それに対してこの本は、『イントネーションの付け方、単語の繋げ方、強弱の付け方』に関する説明と練習問題が殆どを占めます。発音そのものの解説はさらっと数行で書いてある程度で、分かりやすい図もあまり無く、おまけのような感じすらする構成となっています。
発音記号毎の練習を期待される方は、他の本やyoutube動画を探しましょう。
発音記号の表記が一部異なる
「ӓ」や「ü」など、英語の発音記号としては一般的に日本であまり見かけない表記が一部あります。 人によるかもしれませんが、最初と慣れるまではかなり混乱しそうです。
内容の紹介
『イントネーションの付け方、単語の繋げ方、強弱の付け方』の具体的な内容について、もう少し詳しく説明していきます。
ページ数は説明と練習問題を含んだページ数です。練習問題は多めとなっています。
- [約40ページ]Chapter1.The American Sound
- アメリカ英語の音に関する概要について
- リエゾン概要:スペルと聞こえる音との違い
- イントネーションはどこで上がり、どこで下がるのか基本ルールと具体例
- 名詞を含む文
- 代名詞
- 名詞と代名詞
- 通常文と疑問文
- 感情的な質問文
- 新情報、意見、比較、can’t
- イニシャル、スペル、数字
- 代名詞ほか以下略
- どこを強く、どこを弱く言うのかのルール
- [約10ページ]Chapter2.Word Linking & Pharasing
- 「子音と母音」、「子音と子音」など組み合わせ毎のリエゾンルール、話すときの区切りについて
- [約20ページ]Chapter7.&Chapter10.Reduction
- 軽減音(文法用語的にどう訳すのが自然かわかりません)
- 冠詞や前置詞と繋がった時の音や、時制に関する単語などの音のつなげ方、発音ルールなど。
- [約5ページ]Chapter14. Grammer in a Bigger Nutshell
- 短めの文でのイントネーション総合練習
- [各約2~10ページ]Chapter3.~Chapiter6. 、Chapter8,9,11,12,13,16,17
- 各音の発音について
- [合わせて約50ページ]復習ページ
- [約3ページ]国別発音ガイド日本編
- 日本人が発音する時のありがちなミス(特徴)について、一部発音記号毎に解説
実際には各章がもっと細分化されており、色々な場合について細かい内容が書かれています。
まとめ
他の本であまり掲載されていない内容だと思いますので、知っているのと知らないとでは練習に大きな差が出るのではと思います。
主に発音の練習を始めたばかりの発音初心者に、内容、ボリューム共にとてもおススメできる本です。
また、このような内容に興味ある、または話すときにどうも細切れな感じがありネイティブのようなスムーズさに欠けると感じている方には、一見の価値があると思います。
似たような内容の本「MASTERING the American ACCENT」と迷っている場合、内容量、練習問題量を重視するならこちらの本「AMERICAN ACCENT TRAINING」がおススメです。
※現在本に記載のURLがリンク切れになっています。購入後のオーディオは以下から視聴できます。
それから、ituneなどで音声ファイルを再生・停止しながら、本を見ながら、人によっては鏡で口の確認をしながら…などの視線の移動が、発音に集中したいのに意外とストレスフルです。
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