発音本「英語喉」はどんな本?発音矯正に効果はある?
発音本「英語喉」について、発音矯正効果が望めるのか、またどんな内容の本なのか特徴を説明していきます。
結論:英語喉は発音矯正に効果がある?
発音矯正に一定の効果がありそうだと感じています。
ちょっと客観的根拠が薄い気もしますが、自分で録音して聞いた際、この本の内容で発音した方がネイティブの音に近い気がするのと、発音練習アプリでもスコアが高めに出ると感じるからです。
発音本「英語喉」の特徴
以下、どんな本なのか興味がある方向けにこの本の特徴を見ていきます。
口の形よりも喉を使う
同系統の多くの本が「口の形、舌の形」の説明なのに対し、この本は「音を口の中のどこで音を発するか」ということに比重を置いています。
例えば、「i」の音は、「喉のここで発音する」といった具合です。
ここで自分の例を出して恐縮ですが、自分の発音を聞いているとネイティブの奥行きのある音と違って、口先での浅い音に聞こえます。Rだけは何とか口の真ん中辺りでしようとしている感じでしょうか。ネイティブとは似ても似つかない音質だと感じるのですが、「どこをどういう風に直せばいいのか。」ここがもっぱらの悩みです。
もし皆さんが同じようにこの疑問をお持ちなら、この本はそこに1つの道を示してくれそうです。
発音練習の際、きちんと発音できてるかどうか自分ではなかなか分かりづらいので発音練習アプリを使ってみるのも手です。
こちらのアプリでは「My単語帳」に単語もしくは文章を入力すれば発音を判定してくれます。「My単語帳」機能は無料で利用できます。
シラブル
他の本よりシラブルの説明が多い気がします。この点は理解を深める上で良いかもしれません。
独自の発音記号
IPAでも他の発音記号でもない、独自の発音記号が使用されています。
慣れればいいだけかもしれませんが、私はこの本を読んでいるときにたまたま他の発音本2冊ほど並行して読み比べていて、たまたまそちらの本も通常の物とは発音記号が異なっていたせいか頭の中で3種類の発音記号が混在し大いに混乱しました。これは、あれで、あれはこれで…それは何だっけと言った具合です。例えるなら、アルファベットがわからないのに英語の本を読もうとしている感覚でしょうか。数歩進むたびに躓き、途中で振り返るたびにまたアルファベットの確認に戻る感じです。
しかしこの辺りは個人差があると思いますので、そういったことに慣れるのが早い方は問題ないかと思います。
言葉、説明や理論が独特
内容も他の本とは一風変わっていますが、その内容ゆえか独特な説明が多く出てきます。喉の特定箇所での発音を指示するため、「アクビエリア」、「アクビポップ」「ゲップエリア」「ゲップポップ」ほか「リラックス口」「ルート音」「風キャッチ」「ブルブル凧」というような言葉が説明のほぼ全体を占めます。
オリジナルの発音記号に慣れるのと同様に、こういった独特の言葉や状態にも慣れていく必要があるでしょう。
前半は発音について、後半はシラブルについての解説がありますが、ここでの説明も個人的には独特な印象を受けます。例えば、「喉発音と3ビート以外は忘れてください」、「イントネーションや強弱は気にしないでください(喉発音により自然にそうなるものだ)」というようなことが書かれています。一方で別途所持しているネイティブの書いた本にはイントネーションや強弱のつけ方が書いてあり、その辺りはどちらかの言っていることが間違っているのかとどう理解したら良いのか悩みます。
しかし少なくともこの著者が一方的に思い込みの独自理論を展開している、というのではなさそうです。そもそもこの「英語喉」はネイティブの奥様との共著ですから、ネイティブから見ても整合性があるはずです。またこの著者のYoutube動画もアップされていますが、他のネイティブのyoutuberが彼の発音は良いと評していました。もしかしたら、表面上の言い方が違うだけで両者とも本質は同じことを説明しているのかもしれません。
そういう風に考えると、どの本が正解かという感じや本毎に書いてあることを言葉の上だけで鵜呑みにするのではなく、本質を理解しようという気持ちでフレキシブルに受け止めた方が良いのかもしれません。
英語喉の内容
この本は以下のような内容について独特な理論と語りで綴られる本です。
※ 省略して記載していませんが、以下発音記号部分はさらに一部アンダーライン、イタリック体が付いてそれぞれ区別されています。
- Section1.喉
- 声を出す
- 声のコントロール
- 声を磨く
- Section2.呼吸
- 呼吸を使う
- 正しい呼吸のための姿勢
- Section3.母音
- [A,I,U,E,O][日本語にない母音][i][u,u][AI,IU,OI][Au,aU][eI]
- Section4.子音
- [M][S,H][P][F][N,T,D][K,G][J][W,B][Y][Z][I,r][SH][CH][TH,TH][zh][グループ子音][Er,Or]
- Section5.スリービート
- シラブルの正体とは
- 英語は3ビート
- 複数のシラブルからなる語を3ビートで読む
- 子音が足りない時の3ビート
- ぎざぎざエッジを持つ単語
- グループ子音が連結部にくるとどうなる
- Dみたいに聞こえるT
- Sが連結部にあるときに起こる妙な現象
- 中継地点 なぜ3ビートがそれほど大切なのか
- 特殊な語尾の読み方
- 単語にSを足す時
- 動詞の過去形をどう発音するか
- フォーマル発音、カジュアル発音
- 3ビートでフレーズや短文を読む
- フレーズでカジュアルな感じを出す
- wでシラブルをつなぐ場合
- Yでシラブルをつなぐ場合
- 特記事項OrとEr
- CHの読み方
- 喉発音と3ビート以外は忘れてください
- Section6.喉発音&3ビート ドリル
- 省略
- Section7.付録
- 省略
まとめ
個人的には発音矯正に一定の効果がありそうだと感じています。
他の同系統の本とは色んな意味で異なる本ですので興味と機会がありましたら、是非一度手に取ってご自身でも吟味してみてください。
それから、ありがちなのが「本を開いて押さえておきながら、ituneで音声を再生・停止しながら、æは喉の奥の…」こんな感じで発音だけに集中したいのになかなか神経が削がれます。そんな時に書見台(ブックスタンド)が便利です。
多少のチープさは気にしない!という方なら100円ショップでも200円くらいで売っていますので良かったらそちらも探してみてくださいね。